Add Subversion Links の Redmine 2.0 対応
Add Subversion Links プラグインを Redmine 2.0 対応したので、そのときのメモです。
Add Subversion Links プラグイン
Add Subversion Links プラグインは、Redmine のプラグインです。
このプラグインを入れておくと、 Redmine のチケット画面やリポジトリ画面に、 Subversion リポジトリ本体へのリンクが勝手に追加されます。
詳しくは GitHub の説明ページを見てください。
Redmine 2.0 対応
Redmine 2.0 では、ベースとなる Rails のバージョンが 3.2 に上がりました。
その結果、多くのプラグインの互換性がなくなったので、 Redmine 2.0 にバージョンアップしていない人も多いと思います。
Add Subversion Links の場合も、動かなくなっていました。
一つめの原因は、 Rails 3 で導入された html_safe
に関するものでした。
Rails 3 では、「エスケープされていない String」と「エスケープ済みの SafeBuffer」を区別して扱うことで、エスケープ漏れや、多重のエスケープを回避しています。
Add Subversion Links では、 Subversion リポジトリへのリンクを生成する部分で、一部、エスケープしていない文字が入っており、結果として正しい表示になっていませんでした。
(エスケープしていない文字は、単なる空白だったので、最初は何が起こったかよく分かりませんでした。)
もう一つは、 image_path
メソッドが削除されたことでした。
原因はよく調べていませんが、プラグインが持つ image assets の場所を返すメソッド image_path
がなくなっていました。
Add Subversion Links では、一部、 JavaScript で動的にリンクを生成している箇所があり、そのリンク画像生成のために image_path
を使っていたので、エラーになっていました。
結局、こちらは image_tag
というタグ自体を生成するメソッドは残っていたので、こちらを使うように処理を変更することで対応しました。
Add Subversion Links プラグインの仕組み
Redmine 2.0 対応とは関係ないですが、このプラグインの仕組みを少しだけ書いておきます。
Redmine プラグインの作り方は、他にたくさんの優れたページがあるので、ここでは書きません。
ここでは、 Add Subversion Links プラグインを作る上での話について少し書きます。
メソッドの上書き
プラグインを入れると、下記のような Subversion のアイコンが現れ、リポジトリ本体へのリンクが追加されます。
これは、 application.js
内の link_to_revision
メソッドを上書きして、アイコンを追加してやるだけで簡単に実現できました。
JavaScript による書き換え
面倒だったのは、下記の Name 列のような、個々のファイルへのリンクでした。
こちらの方は、 link_to_revision
のような、専用のメソッドがあるわけではないので、プラグインからメソッドを上書きして機能を変更するということが、簡単にはできなさそうでした。
というわけで、方針を変えて、 JavaScript で load 時に動的に追加してやることにしました。
しかし、この Name 列の内容は、 Ajax で動的に追加されるものであるため、 load 時にリンクを作るだけでは、後から Ajax で追加された要素に対してリンクを生成することができませんでした。
そこで、面倒だったのですが、 Ajax で Name 列の要素が生成されたときに呼ばれるコールバック関数 (prototype.js の Ajax.Updater
の onSuccess
属性に渡す関数) をフックしてやり、そのフック関数の中で Subversion リポジトリ本体へのリンクを生成してやりました。
コードとしては以下のようになっており、 onSuccess
で呼ばれる scmEntryLoaded
を Rails の alias_method_chain
のように上書きしてやることで、リンクを生成する処理を追加しています。
また、 Ajax.Updater
による要素の追加は、 onSuccess
の直後に行われるので、実際にリンクを追加する addRepositoryLinkInRepositoryPage
は、 setTimeout
を使って遅らせています。
これで、めでたく Redmine 2.0 に対応できました。
JavaScript の部分以外はテストも書いたので、少しは (面倒であまり楽しくない) メンテナンスも楽になるはずです。
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