SyntaxHighlighter

2012年9月17日月曜日

JsMruby - mruby NPAPI plugin

JsMruby - mruby NPAPI plugin

mruby を Firefox, Google Chrome で動作するようにしました。

mruby

mruby on EFI Shell でも書いたように、 mruby は、Ruby の作者であるまつもとさんが開発されている「組込み向け軽量 Ruby」の実装です。

前回は、単に EFI Shell 上で動くようにコンパイルしただけでしたが、今回は Firefox, Chrome 上から mruby スクリプトを実行でき、 JavaScript の関数も呼べるようにしてみました。

JsMruby - mruby NPAPI plugin

Firefox, Chrome 上で動作する mruby の NPAPI plugin を作ってみました。

サンプル

このプラグインを Firefox, Chrome にインストールしていると、以下のような書き方ができます。

ちょっと長いですが、全文を載せます。

この HTML ファイルを開き、 Draw ボタンをクリックすると、 canvas に正方形が描かれます。

もう少し長いサンプルとしては、マンデルブロ集合を描くサンプルを参照してみてください。
このサンプルでは Draw を押してから 3 秒ぐらい待ってから描画されます。

このように、割とシームレスに JavaScript のメソッドが呼べ、これまで JavaScript で書かねばならなかったものを mruby で書けるようになります。

概要

現在のところ、以下のようなことができます。上のサンプルを参照しながら読んでみてください。
ただし、これらは今後の実装次第で変わっていくだろうと思います。

JavaScript から mruby スクリプトの実行

object タグで NPAPI プラグインを読み込みます。

このオブジェクトに対して、load メソッドで mruby スクリプトをパースし、実行できます。

その後は、 send メソッドで、 mruby スクリプト内で定義したメソッドを直接実行することができます。

mruby から JavaScript スクリプトの実行

逆に mruby スクリプト側からは、 JsObj.get() メソッドで JavaScript のオブジェクトを取得できます。

現在の実装では、 Array, String, Integer, Double などに関しては、 mruby の該当するオブジェクトに変換されます。
また、 DOM オブジェクトなどの場合は、 DOM オブジェクトそのものをラップした JsObj クラスのインスタンスが返され、そのインスタンスに対しては、通常の DOM オブジェクトに対するメソッドを呼び出すことができます。(createElement などを呼べます)
function の場合は、 mruby の Proc オブジェクトのようなものが返されます。(ただし call メソッドでしか呼び出せません)

制限

現在のものは、あくまでアルファ版なのでクラッシュしたりうまく動かなかったりするだろうと思います。

特に、例外まわりやガベージコレクションまわりについては、それほどきちんと考えて書いていないので、不具合が多く眠っているだろうと思います。

ダウンロードとインストール

いずれも GitHub のページからダウンロードできます。

まだ Windows 向けにしか作成していないので、 Mac などでは動きません。

Firefox
jsmruby_0_0_1.xpi をダウンロードし、そのファイルを Firefox に Drag & Drop するとインストールできます。
このアドオンは、単に JsMruby の NPAPI プラグインを含んでいるだけのものです。
余談ですが、 NPAPI プラグインを含むアドオンを作成する場合は、 install.rdf 内に <em:unpack>true</em:unpack> の一行を書く必要があります。
Chrome
jsmruby_0_0_1.zip をダウンロードし、そのファイルをローカルで展開します。
Chrome の「ツール」-「拡張機能」を開いて「デベロッパーモード」にチェックを入れ、「パッケージ化されていない拡張機能を読み込む」から展開したディレクトリを指定して読み込みます。

ソースコードは GitHub の JsMruby のページで見られます。
まだ整理できていないですが、そのうち整理します。
また、 Mozilla のサンプルソースを使っている関係上、一部のファイルのみ NPL ですが、それ以外のファイルに関しては MIT ライセンスとする予定です。

ブラウザ上の Ruby

既に本家の Ruby では、 Ruby 2.0 にて Chrome の NaCl に対応することが表明されています。
似たようなのを作っておいて書くのも何ですが、私はこちらにとても期待しています。

また、 mruby についても既に試されている方がいらっしゃいます。

私はまだそれほど NaCl や PPAPI については勉強していないのと、 Chrome よりも Firefox が好きなので Firefox で動かしたい、という動機があったので、この NPAPI 版のプラグインを作ってみました。
というか、 masuidrive さんの MobiRuby の講演を聞いて、「いいなぁ」と思って自分も何か作りたくなったというのが本音です。

EFI Shell 版の方は、使いたい人はあまりいないと思いますが、 Windows 8 リリースまでにはまとめようかと思っています。

暇を見つけて Mac 版や、ドキュメントの作成などをします。たぶん。

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